現代中国語描写文法
第二節
中国語文法の特徴 3
三 語句の構造と、単音節・二音節の選択には関係がある
例えば、ほとんどの情態副詞(動作がどのようなさまであるかを詳しく表現する副詞)は二音節である。三音節のものは“长时间、大面积、多侧面”等、ごく少数である。これらが修飾する動詞はすべて2音節である。例えば、“大力”の後には必ず“推广、促进、支持、协助、提倡、发展”等の語が続き、単音節の語は現れない。
単音節の語を修飾できない副詞は他にもある。
稍微 极其 明明 共同 简直
一部の二音節動詞の賓語(目的語)は、通常、二音節である。
加以 予以 难以 给以 进行
得以 何以 足以 借以 实行
安于 便于 长于 甘于 惯于
归于 属于 急于 乐于 位于
時間を表す語句は、通常、主語の前か後に現れる。現代中国語では、主語の前に単音節の時間副詞(刚、已、正、在、将、早 等)を使うことはできない。例えば、“他刚从北京回来”は、“刚他从北京回来”とは言えない。“刚”を“刚刚”に変えれば、どちらの位置にも置くことができる。
動詞と名詞の組み合わせは、偏正関係(修飾関係)や述賓関係(動詞・形容詞とその目的語の関係)を表すことができる。単音節であるか、二音節であるかによって、この関係が決まる。
例:
・二音節の動詞 + 単音節の名詞 → 偏正短語(偏正句、修飾句)
筹备 + 费 → 筹备费
传染 + 病 → 传染病
印刷 + 件 → 印刷件
・単音節の動詞 + 二音節の名詞 → 述賓短語(動詞と目的語からなる句)
筹 + 经费 → 筹经费
传 + 疾病 → 传疾病
印 + 稿件 → 印稿件
もちろん、これは傾向に過ぎない。他の条件が重なった場合、状況が変わる可能性はある。 このような傾向があるため、“扫街道”や“打扫街道”という言い方を聞くことはあっても、“打扫街”という言い方を聞くことはない。“读报纸”、“阅读报纸”としか言わず、“阅读报”とは言わないのである。
また、日付、姓、本籍等に関する質問に答えるときは、単音節の語を単独で使うことはない。例えば、姓について答える時、“王”ではなく、“姓王”と言う。ただし“欧阳”と言うことはできる。日付について答える時、“五”ではなく、“五号”と言う。ただし“十五”と言うことはできる。本籍について答える時、“沙”ではなく、“沙市”と言う。ただし、“北京”、“上海”と言うことはできる。
■出典:
書名:現代中国語描写文法(现代汉语描写语法)
主編:張斌
出版社 : 商務印書館
出版日期 : 2010年10月10日
言語:中国語
ページ数:1306ページ

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