品三国 / 易中天
第一部
魏武揮鞭
第一章
曹操の真の姿(真偽 曹操)
范文瀾氏の『中国通史』では、漢の献帝 初平元年(西暦190年)から晋の武帝 太康元年(西暦280年)までを、後漢三国志の「分裂期」としている。 三国志を語ることは、この時代の歴史を語ることであり、その主役は魏の実質的な創始者 曹操である。曹操は、数世紀に渡り様々な評価を受けてきた人物であり、結論を出すのは難しい。曹操ほどその言説に対する論評が多く、意見が大きく異なる人物は稀であり、民間でのイメージと言えば聞くに堪えないほどである。では、一人の人間として、歴史上の本当の曹操はどのような人物だったのか?
三国志を語るなら、まず曹操を語らなければならない。
曹操の歴史上のイメージはあまり良くない。控えめに言って「奸雄」、はっきり言ってしまえば「奸臣」、さらには「奸賊」とまで言われる。しかし、魯迅に言わせれば彼は英雄だという。魯迅は「魏晋の気風および文章と薬および酒の関係」という評論の中で、「曹操は有能な人物であり、少なくとも英雄である。私は曹操派ではないが、いずれにせよ常に彼を非常に尊敬している」と述べている。
Bitly
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