現代中国語描写文法
第三節
形式と意味 3
三 統語的順序・語順
統語的順序(syntactic order)または語順(word order)。この2つの用語は、語と語を組み合わせる順序や、様々な言語単位を組み合わせる順序を指すのに使われる。
1.句の語順
語と語が組み合わされて句になり、語順が構造の類型をコントロールする。
名詞 + 動詞
・主述句:中国制造
・偏正(修飾)句:电话联系
動詞 + 名詞
・述賓(動詞・形容詞とその目的語)句:阅读报纸
・偏正(修飾)句:学习时间
名詞 + 形容詞
・主述句:孩子顽皮
・偏正(修飾)句:芝麻大
種類の異なるAとBの語を一定の順序で組み合わせるとある関係を示すことができる一方、それ以外の関係を示すことはできない、ということがここから見て取れる。
ここで示された構造関係は、語の類型と関係しており、語順とも関係している。「主語が先で、述語が後」、「述語が先で、目的語や補語が後」、「修飾語が先で、中心語が後」というように、中国語において句の語順は比較的固定的である。
並列構造の句の語順のほとんどは、長期的に形成された言語的習慣と関係している。中国語の“前后”は、英語では“back and forth”と言う。中国語の“大小”は、英語では“small and large”と言う。中国語の“你、我、他は、英語では“He, you and I”と言う。中国語の“东、南、西、北”は、英語では“north, south, east, west”と言うように。
慣習的表現は、一定の条件下では変更できる場合がある。例えば、“风雨”を“雨风”と言うことはできないが、“雨啊,风啊,一齐来了”と言うことはできる。他の例としては、“云雾”を“雾云”と言うことはできないが、“雾啊,云啊,都消散了”と言うことはできる。
慣習的な語順の制約は、当然ながら並列構造だけに限らない。例えば“上海制电影片厂”よりも“上海电影制片厂”の方がより慣習にそっている。これは言語リズムの慣習的表現である。句の意味のかたまりがリズムを形成する。“上海制电影片厂”のリズムは「2+1+3+1」となっていて、慣習にそぐわない。“上海电影制片厂”は、「2+2+3」であり、七字句の標準的なリズムである。
ある句の語順はその論理に関係している。例えば、“研究并解决问题”は“解决并研究问题”とは言わない。“到车站送朋友”と“送朋友到车站”は語順が異なるだけでなく、その表す意味も異なる。
一部の語順は、文体と関係している。例えば、“王××校长”は敬称であるが、“校长王××”は敬称ではない。通常、自分自身を指す場合に使用し、文書の最後に署名する際に使用できる。
■出典:
書名:現代中国語描写文法(现代汉语描写语法)
主編:張斌
出版社 : 商務印書館
出版日期 : 2010年10月10日
言語:中国語
ページ数:1306ページ

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