現代中国語描写文法
第三節
形式と意味 1
言語の使用には、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングが含まれる。リスニングとリーディングは、他人の表現する言語を理解することである。スピーキング、ライティングは、自分が言語で表現することである。リスニング、スピーキングは音声言語を使用し、リーディング、ライティングは文字言語を使用する。両者はいずれも言語という形式を通じて理解し、また意味を伝達する。形式と意味は密接に結びついている。形式と意味の関係は極めて複雑で、一対一で対応していない。
一 語彙の形式と語彙の意味
語や句の音声形式とそれが表現する意味との関係は、様々な形で変化する。
1.同音異義語
例えば、“公式”、“工事”、“攻势”等は、音声形式は同一であるが、筆記形式が異なり、意味も異なる。
2.異形語
発音も意味も同じだが、筆記形式が異なる言葉。例えば、“身分”と“身份”、“树阴”と“树荫”等である。これらの言葉は研究を通じて、規範的な用法を定める必要がある。
3.同形異構造
1つの句がいくつかの異なる構造を表す。これが同形異構造である。構造が違えば当然、意味も違ってくる。
最も多いのは、階層構造の違いである。例えば、“中国医学研究”は“中国(的)医学研究”とすることができるし,“中国医学(的)研究”とすることもできる。
あるものは構文が異なる。例えば“出租汽车”は「動詞─目的語」の構造になることもあれば、修飾構造であることもある。
さらに、異なる種類の言葉が重なっている場合もある。例えば、“汤热着呢”の“着呢”は、時態助詞“着”に語気助詞“呢”を接続したと解釈することもできるし、“着呢”を1つの語気助詞と解釈することもできる。前者の場合は、(コンロで)スープを温めていることを意味し、後者の場合は、(テーブルの上の)スープがまだ冷めていないことを強調する意味となる。
4.厳密な同義語
言葉は異なるが、まったく同じ意味の言葉。例えば、“激光”と“莱塞”、“冰棍儿、冰棒、棒冰”と“冰糕”。このような同義語については、規範となる形式の使用が推奨される。
■出典:
書名:現代中国語描写文法(现代汉语描写语法)
主編:張斌
出版社 : 商務印書館
出版日期 : 2010年10月10日
言語:中国語
ページ数:1306ページ

コメント